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シャン・チー テン・リングスの伝説 世界征服を目論む悪人を倒すストーリーには興味がないと言い切る監督が仕上げた結果

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ども、ゴロゴロ生活ぱんいちです(+_+)☆

 

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『シャン・チー テン・リングスの伝説』(原題:Shang-Chi and the Legend of the Ten Rings)鑑賞しました。

監督の気概を感じる映画。

 

 

あらすじ

 

犯罪組織を率いる父に幼いころから厳しく鍛えられ、最強の存在に仕立て上げられたシャン・チー。しかし心根の優しい彼は自ら戦うことを禁じ、父の後継者となる運命から逃げ出した。過去と決別し、サンフランシスコで平凡なホテルマンのショーンとして暮らしていたシャン・チーだったが、伝説の腕輪を操って世界を脅かそうとする父の陰謀に巻き込まれたことから、封印していた力を解き放ち、戦いに身を投じる。

 

映画.comより引用

 

 

 

で?マーベルさん、いつ打ち合わせする?

シムリウのキャスティングに関して

今や、このツイートが有名だが、

実際には、彼はシャンチーのオーディションに臨み、その役を勝ち取っている。

 

シムリウ起用に関して製作ジョナサンシュワルツはこう語る。

今作は今までの作品と同じくアクション要素が大きいですが、

観客が惹かれるのは役者が見せる演技だということもわかっているので、

その両面で最大限に優れた役者を探し、

シムがその最上位に来たというわけです。

 

彼が演じるシャン・チーは本当にユーモアたっぷりで面白く、

それでいて、かなり奥深い感情の豊かさを持っていることが伝わってきました。

彼はカリスマ性に溢れ、見た目もピッタリで、まさに探している人物なのではないかと

感じていました。

 

劇場パンフレットより引用

 

シムリウのツイートが、キャスティングのきっかけとなっている

とマーベルの遊び心とも受け取れるキャスティング方が一部囁かれているが、

 

このインタビューにもあるように

地に足のついた選定を行っている。

 

良くも悪くも話が大きくなってしまうのは

マーベルが、それほど世間に認知されたということ。

 

感想

 

クリスプラットって誰?と思いながら疑心暗鬼な気持ちで

マーベル作品だからという理由で鑑賞した『ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー』には

いい意味で裏切られたが、

 

シャンチーも同様のパターン。

全く期待していなかったけど、しっかりと結果を出してくれている。

 

シムリウって誰?って入り方だが

これでこの俳優をしかと認識した。

 

特に、テンリングスって組織の裏側が

フィーチャーされていたのが面白い。

 

シャンチーらが組織から抜け出す際に、

冒頭でシャンチーに襲いかかる片腕が

刃物のキャラクター『レーザーフィスト』の車を盗み出すわけだが、

 

非日常的な組織から、

車で出社している日常がうかがえることが印象的。

 

案外福利厚生のしっかりした会社だったりして、

とか想像が膨らんでしまう。

 

映画の満足感を左右する指標として

『共感』が重要な要素であると感じている。

 

デスティン・ダニエル・クレットン監督曰く

世界を征服しようとする悪人を

シャンチーに倒させるといったストーリーには

全く興味がなく、

 

とにかくコミックで描かれた、

シャン・チーと

彼を殺し屋として育てた父親との面白い親子関係が

僕の心には響いていました。

そんな息子が父親の元に帰ってきて、

彼と対峙しなければならない。

そこに惹かれたんです。

 

劇場パンフレットより引用

 

監督の思いとは裏腹に

悪に染まった父と、その子の確執だと高を括っていたので、

 

父には、父なりの思いで組織のボスをやっている背景があり

手放しで父を憎めないところに

 

思わず「わかるわー」と

言ってしまいたくなる描写が

満足感の一因になっているのだろう。

 

監督によっては、

世界を征服しようとする悪人を

シャンチーに倒させるといったストーリーになっていたはず。

 

大方の予想の範疇を普通に超えてくるあたり

信頼と実績のマーベル印(じるし)は

到達するところまで到達してしまっている。

 

終盤、龍が登場して、日本昔話みたいな展開になったりと

もはや想像の域を超えていた。

 

アイアンマン3のマンダリン、

ドクターストレンジのウーや

インクレディブルハルクに出てきたアボミネーションといった

マーベル作品キャラクターが登場して

既存作品との関連出しつつ、

 

エンドロール後の次の展開につなげる

もはやマーベル作品のお家芸と言っても過言ではない

クロスオーバーで

シリーズファンを唸らせてくれる。

 

ファンならずとも、満足できる一本。